『影響力の心理』H・フェキセウス(大和書房)

§0

■本書は、次の2つの原則に基づいています。

 第1に、日々のコミュニケーションにおいて、相手の思考や行動に影響を与える方法をしっかりと理解する事。

 第2に、どのように影響するものであれ、影響力とは、他者に敬意を持ち、他者を自分と同じくらい大切に考えているときにこそ、より効果が上がると知っておくこと。(P3-4)

■本書でいう「影響力」とは、何かを利用するという事ではなく、慎重に検討し、よく配慮された行動をとるという意味です。(P5)

 

§1

■弱みを見せながら調書を説明すると、結果として弱みが気にならなくなり、正直で信頼のおける人だと感じさせることができる。(P35)

■まず最初に、相手がどのような性格か、どんな価値観や意見をもっているかを見極めよう。そして、自分の提案が、相手が大切にしている価値観と合っていると、説明するといい。(P49)

 

§2

■語彙の豊富な人は、クリエイティヴで知的とみなされ、就職や昇進もしやすく、たいていの場合、人より真面目に話を聞いてもらいやすい。(P66)

■相手を混乱させるには、「もしくは」という言葉が鍵になる。

 このテクニックのよいところは、実際には選択肢がないにもかかわらず、「相手に選択肢があると感じさせる」という点だ。

 実際には、このテクニックは、相手が自分の思惑通りに動いてくれる可能性がかなり低い場面でこそ役に立つ。(P83-85)

 

§3

■共感とは、他人の感情を推し量る能力のことだ。(P129)

■人に頼みごとをする際に最も大切なのはタイミングだ。(P146)

■プロの交渉人は、仕草をみて、相手がNoを口にする前の兆候を読み取る。こうしたサインに注意を払うことで「No」と言われる前に、会話を軌道修正することができる。(P171)

■一般的なネガティヴサインは次の通り。

①掻く

②両手で触る

③ペンをカチカチ鳴らす

④タップダンサーとレッグスインガー

電気椅子 (P172-173)

 

§4

■攻撃してきた相手を笑うのではない。それは相手をいじめ返すことになる。

 そうではなく、相手に「言われた内容」を笑い飛ばすのだ。(P184)

心理的に攻撃を受けている場合、相手の行動をただちに無効化する2つのよい方法がある。

 1つめの方法は、反論するのではなく、質問することだ。

 2つめの方法は、古くから伝わるジャーナリストのトリックである、「黙り込む」のだ。(P224-225)